--- man-pages-ja-20060815/manual/GNU_less/man1/less.1.original 2010-04-06 16:12:57.000000000 +0900
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@@ -140,7 +140,9 @@
また、ファイルではなく標準入力を読み込んでいる場合に遅くなる)。
.IP "p または %"
ファイルの N パーセント目の位置に移動する。
-N は 0 から 100 の間でなければならない。
+N は 0 から 100 の間でなければならない。また、小数点でも良い。
+.IP "P"
+ファイルの N バイト目の位置に移動する。
.IP "{"
画面に表示されている先頭行に左中括弧がある場合、
{ コマンドを使うと対応する右中括弧の位置に移動する。
@@ -262,6 +264,20 @@
検索コマンドの実行によってもハイライトはオンに戻る。
(-G オプションでもハイライトをオフに切替えることができる。
この場合、検索コマンドでハイライトがオンにならない)。
+.IP "&pattern"
+パターンにマッチした文字列のみを表示する。
+パターンにマッチしない文字列は表示しない。
+パターンが空白(&とタイプしてENTER)の場合、全てのフィルタリングはオフとなり、全文字列が表示される。
+フィルタリングが有効な場合には、アンパサンド(&)がプロンプトの始めに表示され、ファイル内のいくつかの行が隠れているかもしれないことを注意させる。
+.sp
+/ コマンドの時と同様に、一部の文字は特殊な役割をもつ。
+.RS
+.IP "^N または !"
+パターンにマッチしない文字列のみを表示する。
+.IP "^R"
+正規表現のメタキャラクタとして解釈しない。
+これは単純なテキストとしての比較を行う。
+.RE
.IP ":e [filename]"
新しいファイルを読み込む。
ファイル名の指定がない時は、コマンドラインのファイルリストから
@@ -453,12 +469,15 @@
(もしくは最後に検索対象が見つかった行のあと。-j オプションを参照)
から行われる。
.IP "-b\fIn\fP または --buffers=\fIn\fP"
-.I less
-が各ファイルに対して使うバッファの数を指定する。
-各バッファは 1KB で、
-各ファイルに対してデフォルトでは 10 個のバッファを使う
+.I less
+が各ファイルに対して使うバッファの数を 1KB(1024 バイト) 単位で指定する。
+
+各ファイルに対してデフォルトでは 64K のバッファ領域を使う
(ただし、ファイルがパイプの場合は例外である。-B オプションを参照)。
数字 \fIn\fP で使用するバッファの数を指定する。
+\-b オプションの場合は各ファイルに対して
+数字 \fIn\f KB のバッファ領域を使う。
+数字 \fIn\fP が \-1 の場合は、バッファ領域は無制限である。これはファイル全部がメモリへ読み込まれる事を意味する。
.IP "-B または --auto-buffers"
データがパイプから読み込まれる場合、
デフォルトではバッファは必要に応じて動的確保される。
@@ -466,7 +485,7 @@
多くのメモリが確保されてしまう。
-B オプションが指定されると、-b オプションで指定されたバッファの数を
使うため、パイプに対するバッファの動的確保が行われない。
-警告: -B オプションを使った場合、ファイルの最も最近閲覧している
+警告: -B オプションを使った場合、パイプされたデータの最も最近閲覧している
部分のみしかメモリに保持されず、以前のデータが無くなっているため、
表示にエラーが起こる場合もある。
.IP "-c または --clear-screen"
@@ -474,8 +493,9 @@
デフォルトでは、
全画面の再描画は、画面の最終行からのスクロールによって行われる。
.IP "-C または --CLEAR-SCREEN"
--C オプションは、-c オプションと似ているが、
-再描画を行う前に画面をクリアする。
+古いバージョンの
+.I less
+との互換性を保つため、\-c と同じである。
.IP "-d または --dumb"
-d オプションは、端末がダムである場合に
通常表示されるエラーメッセージの表示させない。
@@ -490,7 +510,7 @@
n は標準、s は標準出力、d は太字、u は下線、k は点滅である。
\fIcolor\fP は、ピリオドで区切られた数値の組である。
1 つ目の数値で文字の前景色、2 つ目の数値で文字の背景色を選ぶ。
-数値 \fIN\fP は、\fIN.0\fP と同じである。
+数値 \fIN\fP は、\fIN.0\fP と同じで、\fIM\fP は通常の背景色である。
.IP "-e または --quit-at-eof"
ファイルの終りに 2 度目に達した場合、自動的に
.I less
@@ -510,6 +530,7 @@
デフォルトでは、
.I less
は、通常のファイルでないものを開かない。
+注意:\-f オプションを用いても、ある特定のオペレーティングシステムはディレクトリの読み込みを許可しない。
.IP "-F または --quit-if-one-screen"
最初の画面でファイル全体が表示できる場合、
.I less
@@ -525,6 +546,8 @@
の動作をデフォルトより多少速くする。
.IP "-G または --HILITE-SEARCH"
-G オプションは、検索コマンドで見つかった文字列をハイライト表示させない。
++.IP "\-\-old-bot"
+以前のスクリーン下の動作に戻す。前方向にスクロールしている状態で端末の一番下に到達し、長い文字列が正確に折り返されない場合に有効である。
.IP "-h\fIn\fP または ---max-back-scroll=\fIn\fP"
後方に戻る最大行数を指定する。
もし、\fIn\fP 行を上回って後方に戻る必要がある場合は、
@@ -539,19 +562,26 @@
-i コマンドと似ているが、検索パターンが大文字を含んでいた場合でも、
検索は大文字小文字の違いを無視して検索をする。
.IP "-j\fIn\fP または --jump-target=\fIn\fP"
-「ターゲット」行とする画面上の行番号を指定する。
-ターゲット行とは、テキスト検索、タグ検索、行番号へのジャンプ、
-ファイルのパーセンテージでのジャンプ、マーク位置へのジャンプ、
-の対象となる行である。
+ターゲット行はコマンドがパターン検索、行番号へのジャンプ、
+ファイルのパーセンテージでのジャンプ、マーク位置へのジャンプ
+として指定した行である。
画面の行は数字 n で指定する。
画面の一番上の行を 1、その次の行を 2、...、と表す。
画面の最終行から何行目かを指定する場合は、数値を負に指定する。
画面の一番下の行は -1、下から 2 行目は -2、...、と指定する。
--j オプションが用いられている時、検索はターゲット行の直後の行から始まる。
+また、画面の行はスクリーンの高さの割合で指定しても良い。
+小数点 .5 は画面中央で、小数点 .3 は 画面の一番上より 10分の3 下の行に、などとなる。
+行が小数点で指定されていて、端末のウインドウをリサイズした場合、
+実際の行番号は再計算され、ターゲット行は指定されたスクリーン高の割合をキープする。
+\-j オプションがどの様な方法でも使用された場合、
+前方検索はターゲット行の次の行から開始される。
+後方検索はターゲット行から開始される。
+
例えば、"-j4" のとき、ターゲット行は画面の第 4 行目なので、
-検索は画面の第 5 行目から始まる。
+前方検索は画面の第 5 行目から始まる。
.IP "-J または --status-column"
ステータス欄を画面の左端に表示する。
+ステータス欄は現在の検索にマッチした文字列を表示する。
ステータス欄は、-w または -W オプションが有効なときのみ使われる。
.IP "-k\fIfilename\fP または --lesskey-file=\fIfilename\fP"
.I lesskey
@@ -570,6 +600,7 @@
を終了させる。通常インタラプト文字は何をしていようとも
.I less
を停止させ、コマンドプロンプトを返す。
+注意:このオプションを使用すると、"F" コマンドからコマンドプロンプトに戻る事が不可能になる。
.IP "-L または --no-lessopen"
環境変数 LESSOPEN を無視する (以下の「入力プリプロセッサ」セクションを参照)。
このオプションは
@@ -746,10 +777,6 @@
端末に、termcap 初期化文字列と非初期化文字列を送れないようにする。
これは、画面をクリアするときのように非初期化文字列が不必要な場合には、
望ましいことがある。
-.IP "--no-keypad"
-端末に、keypad 初期化文字列と非初期化文字列を送れないようにする。
-これは、テンキーを構成する keypad 文字列が好ましくないやり方で振る舞う場合には、
-望ましいことがある。
.IP "-y\fIn\fP または --max-forw-scroll=\fIn\fP"
前方に進む最大行数を指定する。
もし、\fIn\fP 行を上回って前方に進む必要がある場合は、
@@ -763,7 +790,7 @@
z と w コマンドはウインドウの大きさを変更するために使われる。
z は、
.I more
-との移植性のために省略してもよい。
+のいくつかのバージョンとの移植性のために省略してもよい。
.I n
が負の数の時は、現在の画面サイズより
.I n
@@ -792,6 +819,24 @@
RIGHTARROW と LEFTARROW コマンドで水平方向にスクロールするときの
デフォルトの移動桁数を指定する。
この値を 0 にすると、デフォルトの値は画面幅の半分になる。
+また、値は画面幅の少数で指定しても良い。.5 の場合は画面幅の半分になり、.3 の場合は画面幅の10分の3、等になる。
+値を少数として指定し、端末のウインドウがリサイズされた場合、実際のスクロール値は再計算され、
+実際のスクロールは指定した画面幅の少数値のままになる。
+.IP "\-\-no-keypad"
+端末に、keypad 初期化文字列と非初期化文字列を送れないようにする。
+これは、テンキーを構成する keypad 文字列が好ましくないやり方で振る舞う場合には、
+望ましいことがある。
+.IP "\-\-follow-name"
+F コマンドが作動中、インプットファイルがリネームされた場合通常は、+Normally, if the input file is renamed while an F command is executing,
+.I less
+はリネームに拘らず元のファイルの内容を表示し続ける。
+F コマンドが作動中、\-\-follow-name を指定すると
++.I less
+は定期的にファイルを名前でリオープンしようとする。
+リオープンが成功し、ファイルが元のものと異なる(新しいファイルが元の(現在はリネームされている)
+ファイル名と同じ名前で作成されている)場合は
+.I less
+は新しいファイルの方の内容を表示する。
.IP --
コマンドライン引き数 "--" は、オプション引き数の終りの印である。
この後の、いかなる引き数もファイル名として解釈される。
@@ -819,8 +864,9 @@
検索コマンドのパターンといった) コマンドライン入力の場合、
いくつかキーがコマンドラインを編集するのに使われる。
大部分のコマンドには、[ 大括弧 ] 中の別形式がある。
-これは、ある種のキーボードでキーが存在しない場合に使用できる
-(大括弧の中の形式は、MS-DOS 版では機能しない)。
+これは、ある種のキーボードでキーが存在しない場合に使用できる。
+注意:ESC で始まる形式では、 MS-DOS と Windows のシステムでは使用できない。
+これは ESC がラインのイレースキャラクタのためである。
それらの特殊キーは、^V や ^A といった「リテラル化」文字を先に入力することで、
そのままの文字として入力することができる。
2 つのバックスラッシュを入力することで、
@@ -1046,6 +1092,19 @@
削除する代替ファイルがないので多くの場合必要ない。
このスクリプトで、LESSCOLSE のポストプロセッサに渡される
代替ファイル名は "-" である。
+.PP
+以前のバージョンとの互換性のため、
++For compatibility with previous versions of
+.I less
+が標準入力を見ている場合は
+.I less
+は入力のプリプロセッサやパイプを使用しない。
+しかし、LESSOPEN の最初の文字がダッシュ(\-)の場合、
+入力のプリプロセッサは標準入力や他のファイルとして使用される。
+この場合、ダッシュはプリプロセッサコマンドの一部とはみなされない。
+標準入力を見ている場合は入力のプリプロセッサにシングルダッシュを含んだファイル名を渡す。
+同様に、LESSOPEN の最初の2文字がパイプとダッシュ (|\-) の場合、入力パイプは標準入力や他のファイルとして使用される。
+この場合でも、ダッシュはプリプロセッサコマンドの一部とはみなされない。
.SH "国際化文字セット"
入力ファイルには、3 タイプの文字が含まれている。
@@ -1083,10 +1142,12 @@
NeXT 計算機用の文字セットを選択する。
.IP utf-8
ISO 10646 文字セットの UTF-8 エンコーディングを選択する。
+UTF-8 は入力ファイルでマルチバイトキャラクタをサポートするという意味で特別である。
+マルチバイトキャラクタをサポートする唯一のキャラクタセットである。
.IP windows
Microsoft Windowsに適切な文字セットを選択する。(cp1251)
.PP
-特殊なケースとして、
+稀れなケースとして、
LESSCHARSET で指定できる限定された文字セットではなく、
他の文字セットを使うように
.I less
@@ -1368,6 +1429,36 @@
less をいつも「安全な」モードでしか実行できないように
コンパイルすることも可能である。
+.SH "COMPATIBILITY WITH MORE"
+環境変数 LESS_IS_MORE が 1 に設定された場合、
+またはプログラムがファイルリンク "more" 経由で起動された場合、
+.l less
+は POSIX の "more" コマンド仕様に(ほぼ)準拠して動作する。
+このモードでは、less は以下の三種類の異なる動作をする。
+.PP
+\-e オプションは異なる動作をする。
+\-e オプションがセットされない場合、
+.I less
+は \-E オプションがセットされたかのように動作する。
+\-e オプションがセットされた場合、
++.I less
+は\-e と \-F オプションがセットされたかのように動作する。
+.PP
+\-m オプションは異なる動作をする。
+\-m オプションがセットされなかった場合、中間のプロンプトが使用され、
+文字列 "--More--" から始まる。
+\-m オプションがセットされた場合、短いプロンプトが使用され、
+.PP
+\-n オプションは \-z オプションの様に振る舞う。
+通常の \-n オプションの動作はこのモードでは使用できない。
+.PP
+\-p オプションのパラメータは検索パターンではなく、
++.I less
+コマンドとして扱われる。
+.PP
+LESS 環境変数は無視される。
+その代わりに MORE 環境変数が使用される。
+
.SH 環境変数
環境変数は、通常と同じくシステム環境で設定でき、
.I lesskey
@@ -1422,6 +1513,15 @@
.I global
(1) コマンドがインストールされている場合は、通常 "global" が設定されるべき。
設定されていない場合、グローバルタグは使われない。
+.IP LESSHISTFILE
+.l less
+を起動した間に使用された
+検索コマンドやシェルコマンドを記録するための履歴ファイルのファイル名。
+"\-" とセットされた場合、履歴ファイルは使用されない。
+デフォルトは Unix システムでは "$HOME/.lesshst" だが、DOS と Windows システムでは "$HOME/_lesshst" で、
+OS/2 システムでは $HOME/lesshst.ini" または "$INIT/lesshst.ini" である。
+.IP LESSHISTSIZE
+履歴ファイルに保存されるコマンドの上限値。標準は 100 である。
.IP LESSKEY
デフォルトの lesskey(1) ファイルの名前。
.IP LESSKEY_SYSTEM
@@ -1439,6 +1539,12 @@
「セキュリティ」セクションでの話題を参照すること。
.IP LESSSEPARATOR
ファイル名補完においてディレクトリ名に付加される文字列。
+.IP LESSUTFBINFMT
+プリント出来ない Unicode コードポイントを表示するフォーマット。
+.IP LESS_IS_MORE
+.\ more
+(1)コマンドを
+エミュレートする。
.IP LINES
画面の行数を設定する。
環境変数 TERM で指定された行数より優先される。
@@ -1458,40 +1564,8 @@
.SH 関連項目
lesskey(1)
-.SH 警告
-(-P オプションで変更されない限り) = コマンドとプロンプトは、
-画面の先頭行と最終行の行番号を表示する。
-しかし、バイト数とパーセントは画面最終行の次行について表示する。
-.PP
-:e コマンドが 2 つ以上のファイルに対して使われ、
-ファイルのうちの1つが既に閲覧されている場合、
-新しいファイルが予期しない順番でリストに入れられる。
-.PP
-ある種の古い端末 (いわゆる「マジッククッキー」端末) では、
-検索のときのハイライトが表示エラーを起こす。
-そのような端末では、この問題を避けるため、
-検索の際のハイライトがデフォルトで不可に設定されている。
-.PP
-検索の際のハイライト表示が設定されている場合に、
-検索パターンが ^ で始まっていると、
-マッチした文字列以外の部分までハイライトされることがある
-(POSIX 正規表現パッケージを使って less がコンパイルされていれば、
-この問題は起こらない)。
-.PP
-.I setlocale
-が 0 から 31 の値を持つ ASCII 文字をバイナリキャラクタでなく
-制御文字とするシステムもある。
-そのため、
-.I less
-がある種のバイナリファイルをバイナリでない通常のファイルとして扱かってしまう。
-この問題を解決するには、環境変数 LESSCHARSET を "ascii"
-(もしくは、何か適切な文字セット) に設定すればよい。
-.PP
-このバージョンの less に関する既知のバグの最新リストは、
-http://www.flash.net/~marknu/less を参照すること。
-
.SH 著作権
-Copyright (C) 2000 Mark Nudelman
+Copyright (C) 1984-2009 Mark Nudelman
.PP
less is part of the GNU project and is free software.
You can redistribute it and/or modify it
@@ -1516,7 +1590,17 @@
.PP
Mark Nudelman <marknu@flash.net>
.br
-バグの報告やコメントは、上のアドレスか bug-less@gnu.org へ送って下さい。
+最新の、less に関する既知のバグ一覧は
+http://www.greenwoodsoftware.com/less/bugs.html を参照の事。
+.br
+バグ報告またはコメントは上記アドレスまたは下記のアドレスまで。
+.br
+bug-less@gnu.org.
+.br
+詳細は下記の less ホームページを参照の事。
+ .br
+http://www.greenwoodsoftware.com/less.
+
.SH パッチ
Copyright (c) 1994-2000 Kazushi (Jam) Marukawa, Japanized routines only